第10回:リモートプレゼンで役立つ!話の組立【前編】

インタビュー/井上さゆり
企画・構成 /高浜希三子

スピーチトレーナー高津和彦(こうず かずひこ)先生に、リモートで伝わる話し方をレクチャー頂くインタビューシリーズです。第10回:リモートプレゼンで役立つ!話の組立【前編】です。

スピーチトレーナー高津和彦のインタビューレクチャー

―― 前3回にわたって、面接への臨み方、気の持ち方についてお話頂きました。
で、皆さんから、「じゃ、どう話を組み立てればいいんですか」と聞かれるんですが。


高津 じゃ、今回は「話の組立」について言いましょう。


―― はい、お願いします!

高津 主に面接対策を念頭に話しますが、これはリモートプレゼンにも大いに役立つ基本です。
応用してくださいね。


―― プレゼンにも役立つ! それはありがたいです。

高津 まず何を「しゃべる」か。
今、僕が「話す」じゃなくて、「しゃべる」と言ったのは、パッと口を突いて出る、ということに、より意味を持たせたかったからなんです。


―― えーと、臨機応変、ということですね。

高津 そう、臨機応変力!
それを基本的に身に付けるには、常に「話をどう組み立ててしゃべるか」を意識しておくことです。


―― へぇ~、臨機応変力って、心の準備から生まれるんですね。

高津 そうです。引き出しの中に何もないと出すことができないですからね。
そこで「どう組み立ててしゃべるか」についてなんですが…。
まずその前に、話す目的とは何だと思います?


―― えっ? 目的、ですか?

高津 相手に「なるほど」と思わせる、これが最大の目的です。
そして、これが「話の組立」のポイント。


―― そうなんですね。

高津 そのためには、まず自分が納得していなければいけない。つまり、
1.~は~だ、と自分が思っていることをまず言う。
2.なぜなら、それは~だからです。自分の言いたい1.を正当化する根拠を言う。
3.だから、1.は、正しい、やりましょう、その他の結論にもっていく。


―― なるほど。

高津 これは、スピーチ、プレゼンテーション、訓話、なんにでも使えますよ。


―― そうですね!

高津 たとえば。
1.おなか減った
2.もう12時だ
3.食事に行こう、―こんなでいい。
でも、説得力、あるでしょ?(笑)


―― ええ。

高津 ちょっと、また違うパターンで。
1.おなか減ったから食事に行きたいな
2.12時だから当然だ
3.だれでもそうだよ、―これでもいい。


―― なるほど。

高津 このパターン、自分を正当化する時にも使ってます。
だって分かりやすい、理路整然としている。説得力がある。


―― (うなずく)

高津 ということは、受け入れられるパターンだということです。
堂々と使ってください。


―― 一度、使ってみます!

高津 他にもいろんな「話の組立」パターンがあります。
1.過去、現在、未来
2.理論、現実、選択
3.希望、現実、方程式 などなど。
いくらでもある。で、どれを選択すればいいのか。


―― どれですか?

高津 答え!
それは、自分が「これで行こう!」というパターンを選ぶ。


―― 単純明快なパターン選択法、ありがとうございます。(笑)

【 後編 】に続く